CASE STUDY

富士山静岡空港株式会社様

観光客の周遊ルートを顔認証AIが解析、施設間の連携から観光地域活性化を図る


■顔認証AIが求められた背景

静岡県・大井川流域周辺は、富士山静岡空港や大井川鐵道のSL、商業施設・KADODE OOIGAWAなど魅力的な観光スポットが密集している地域です。各スポットの人気は高く、旅行客や家族連れなど多くの人が訪れています。

各拠点の集客は見込めるものの、地域全体の観光客増にまでつながっていない課題があります。そこでエリア内での連携を高め、地域全体を観光スポットとして認知・訪問してもらうための施策として、顔認証AIソリューションが検討されています。顔認証AIソリューションを活用することにより、地域に設置したカメラから取得したデータを分析し、訪問旅行客がどのように各拠点を回遊しているかを可視化します。

今回は、周遊ルートと顧客属性のデータ解析をスポット同士の連携に活かして集客につなげる第一弾として2021年10月より2022年2月にかけて約4カ月間の実証実験を開始しました。顔認証AIに選定されたのは、高い精度を持ち、用途に合わせ柔軟にカスタマイズすることが可能なトリプルアイズの画像認識プラットフォーム・AIZEです。

富士山静岡空港:http://www.mtfuji-shizuokaairport.jp/

大井川鐵道: https://daitetsu.jp/

KADODE OOIGAWA:https://kadode-ooigawa.jp/





■期待される効果

AIZEはマスク着用時においても認証率98%の精度で顔認証を実現。コロナ禍にもマスクを外さずに精度の高いデータ取得が可能です。また設置される検温機においては顔認証と同時に検温を実施。施設の感染症対策も同時に実現し、訪問客の安全・安心に貢献します。

収集されたデータを分析することで、同一人物が空港を利用するのと同時に他のスポットに立ち寄ったか、また性別や年齢などの情報が可視化されます。これにより、訪問者が周遊したくなるような新たな動線形成や、ターゲットに合わせた店舗展開の実現に寄与することが期待されます。

従来POSデータや経験に基づいて行っていたマーケティング戦略が、顔認証AIという新たなソリューションで可視化され、より実態に基づいたマーケティング施策に生かされると期待されています。

■富士山静岡空港概要

富士山静岡空港は静岡県牧之原市に位置する、2019年4月に運営権事業を開始した富士山静岡空港株式会社が運営する空港です。牧之原台地の茶畑の中に位置し、富士山と駿河湾を望むことができる抜群のロケーションに位置しています。

国内線では北海道(新千歳、札幌丘珠)、出雲、福岡、熊本、鹿児島、那覇の7路線、国際線では、ソウル、台北、上海をはじめとした中国各地への定期便とチャーター便が運航しています。※国際線 現在運休中

空港内には静岡県ならではのお茶の専門店や、地元名産品が揃う「しずおかマルシェ」、富士山が正面に見える展望デッキなど魅力的なスポットがあり、唯一無二の特徴を持つ空港として訪問客を魅了。2018年度には旅行客、見学客数を合わせて年間約180万人が訪れました。

今回AIZEを設置する商業施設・KADODE OOIGAWAまでは車で25分、大井川鉄道新金谷駅まではバスで18分、新金谷駅から千頭駅までは電車で1時間の距離となります。





■画像認識プラットフォーム・AIZEとは

画像認識プラットフォーム・AIZEは、トリプルアイズが取り組んできた囲碁AIの研究から生まれた、ディープラーニングによる画像認識システムです。クラウドに画像データを送信し、ディープラーニングの手法でAIが解析します。

世界最大級の512次元の特徴量を顔画像から検出、個別認識できます。年齢・性別・感情さえも認識できるAIエンジンを備え、その可能性は多岐にわたります。

AIZE:https://aize.jp/





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