飯田ジャズスクール様
若いジャズスターを輩出したい!
伝統あるジャズスクールでのAI顔認証活用とは?
ジャズスクールの未来構想、AI顔認証活用方法についてお話くださった飯田多聞様
背景
飯田ジャズスクールは66年の歴史を持つ、東京都杉並区の本格ジャズスクール。1955年、ベーシストであった飯田龍夫氏が「飯田ジャズスタジオ」としてオープンしたのが原点となる。より深くジャズについて学びたいという熱心な生徒が集うスクールである。意欲的な生徒のニーズに応えるため、一流の講師陣をそろえており専門的な学びができるのがスクールの特長だ。
コロナ禍において生徒数が減少してしまったものの、2021年現在145名の生徒が在籍している。生徒の年齢層はジャズ世代の40代から70代がコア層ではあるものの、ジャズ好きな親子も通っており小学生、中学生から70代以上と幅広い層が在籍している。職業も医者、酒屋、銀行員、主婦、とさまざまである。週末に行われるアンサンブルコースではジャズセッションが行われており、そこでは年齢、職業を超えた交流が持たれている。
レッスンは初級から上級までレベルに応じて開講しており、ボーカル、ピアノ、ウッドベース、ドラム、ギター、管楽器、その他の楽器に加え学問としての音楽を学べる楽理についても扱っている。講師の中には海外で活躍し、いくつも賞を受賞しているような実力派も在籍しており、本格的なジャズ指導が受けられる。
教室は杉並区桜上水駅から徒歩5分と好アクセスながらも、大通りから一歩踏み込んだ閑静な住宅街に位置する。外観は鮮やかなグリーンの看板が特徴的で、ガラスタイルとシルバータイルがレトロな雰囲気を醸し出す。内装は、インテリアデザイナーとしても活躍される飯田多聞氏自らがリニューアルを手がけられている真っ最中である。
地下に降りると右手には約30名収容するライブホール、左手には個室レッスンルームが二部屋ある。飯田氏の手によりリニューアル工事が行われた部屋はコンクリート張りの壁が特徴の、都会的で洗練された空間だ。工事は着々と進んでおり、アフターコロナにおいてはジャズスクールにとどまらず、新たな活用方法も予定されている。
今回は音楽スクールにおける感染症対策の課題や自動検温機の活用方法、さらにDX(デジタル・トランスフォーメーション)の可能性について、スクール運営の飯田多聞氏にお話を伺った。
飯田ジャズスクール外観
課題と対策
新型コロナウィルスの流行後、「換気が心配だから」と通学を敬遠する生徒の声も聞かれるようになった。音楽スクールでは「対面レッスン形式」がスタンダードだ。また個別レッスンが行われる個室は防音処理が施されており「密閉」状態にある。さらにボーカルや管楽器のレッスンはマスクを外さないことにはレッスンを行うことが難しい。このような特徴を持つジャズスクールは、新型コロナウィルスの流行により打撃を受けた業種の一つだ。
2020年、一度目の緊急事態宣言の際は休校を余儀なくされた。それ以降、教室ではあらゆる感染症対策を実行している。大掛かりなものでは、専門業者に依頼し教室全体の除菌・抗菌を行った。教室には「除菌・抗菌証明書」が掲示されている。
壁に掲示される「除菌・抗菌証明書」
日々の対策も欠かさない。レッスン後は毎日一時間かけて教室清掃を行う。ピアノの鍵盤を一本一本、楽器を一つひとつ丁寧に拭く。使用する手指用の消毒液にもこだわっている。アルコールが良いのか、次亜塩素酸水が良いのか、その他の製品が良いのか。比較検討し、身体に優しく効果の高いものを選んだ。
飯田氏は「こだわると、とことんです(笑) 生徒さんもナーバスになっていたので、本当にできることは全部やって不安材料を取り除いていきました」と話す。丁寧に情報収集を行い、設備を整えていくことが教室の感染症対策に貢献しており、現在までにクラスターは発生していない。
入館時に使用する検温機についても、いくつもの製品を比較した。はじめに導入したのはガンタイプの検温機であった。3機試したものの、精度が甘く、壊れやすく、さらには反応も鈍い。極端に低い値が検出されると何度も検温を試みなければならない。それが生徒にとっても運営にとってもストレスになると感じていた。また「検温係」を常駐させてしまうと他の業務に手が回らなくなってしまう。
そこで定点設置型の非接触検温機の導入を検討した。
導入の経緯と効果
他の感染症対策製品と同様、検温機に関しても多くの情報を集め、その中から最善のものを選択した。
トリプルアイズのAIZE+は高性能にもかかわらず比較的安価であること、そして補助金の対象となること、さらにいつでも相談できるサポート窓口があることが決め手となり導入した。
入口に設置されたAIZE+
インターネットで検索すると、簡単に購入できる安価な製品はたくさん見つかる。逆に高性能だが値が張るものも多い。AIZE+は程よいバランスに位置するコストパフォーマンスの良い商品だと感じた。現在のところ、故障や不具合もなく快適に使用できている。生徒からの評判も良い。
取材中偶然いらっしゃったお客様へ感想を伺った
「マスクをつけたままで検温できるのがいいですね。他の機械だと、マスクを下げないといけないものもあります」
「顔の形に枠が縁どられているので、検温方法がわかりやすいです。これであれば日本語が分からない人でも困りませんね」
「ブルーのライトがおしゃれですよね。教室の雰囲気に馴染んでいます」
飯田ジャズスクールの徹底した感染症対策にAIZE+が加えられた。
正確な検温と、誰にでも分かりやすい画面、そして「正常です、ご入場ください」と自動音声が流れることで周囲の人にも安心感を与えられる。AIZE+は音楽スクールの感染症対策に活用できるDXソリューションである。
お客様のコメント
飯田ジャズスクール
飯田 多聞 様
コロナ禍だからこそ挑戦する、新しいスクールの形
コロナの影響はまだしばらく続くと思います。そこで考えているのが、大型高機能換気扇、三菱、ダイキン2社の「ロスナイ」を各部屋に設置することです。天井に埋め込み、エアコンのように風を循環させてきれいな空気を保ちます。窓を開ける換気よりも効果が高いようです。今回思い切って各部屋に設置する決断をしました。大型換気扇はデパートや映画館なんかでも使われていますよね。室内換気にはこの形が一番効果的なようです。換気について詳しくなりました(笑)
高額ではあるのですがこの機器を設置することで、レッスン以外にもスクール活用の幅が広がってくると思っています。
工事中の天井の様子
例えば、コロナ禍において音楽ライブハウスはどんどん閉鎖されています。それによりミュージシャン活動の場がなくなっています。このスペースをミュージシャンたちのために提供したいと考えています。人数はある程度制限し、大型の換気扇をまわし、各自が気をつけて消毒をすればライブも実現可能だと思います。もちろんジャズに限らずどんな音楽ライブも歓迎します。
また音楽に限らずビジネスマンが会議の場所として使用するニーズにも対応できると考えています。防音、密室でワークスペースとしても最適です。
コロナ禍において、もう一つの新しい試みは「オンラインレッスン」を始めたことです。
楽理などの科目であればオンラインでも満足度を損なうことなく実施できますし、普段は物理的に通うのが難しい地方にお住まいの方にも参加いただけるというメリットがあります。先述の通り、講師陣は一流の先生が在籍しています。そういった先生の授業を受けられる機会は貴重で、大変人気があります。この講義は今後も継続していきたいですね。
30名収容可能なライブルーム。翌日のイベントに向け、色とりどりの太鼓が並ぶ。
若い世代のジャズスターを、ここから輩出したい!
ジャズというと、40代以上の世代に人気が集中しています。しかしこれからは10代、20代へも浸透させていきたいというのが狙いです。親がジャズ好きだから、と通ってくださっているお子さんはいます。
しかし今後はお子さんが自発的に「僕、私、あのジャズスクールに通いたい」というスクールを創っていきたいです。今、若い世代のダンス人気が盛り上がっていますよね。親が勧めなくても子ども自らが「ダンスを習いたい」と言って通う。これをジャズスクールでも実現していきたいと思っています。
そのために必要なのは、子ども目線です。スタートは「カラオケで上手く歌いたいからボイトレに通いたい」「太鼓をたたくことが楽しい」で良いと思います。その中からジャズに興味を持つ子が数名でも出てきたら、それは成功だと思います。そのために、若い世代に対応したカリキュラムも新設していく予定です。
また建物の「おしゃれ、撮りたい、インスタ映えする」というワクワク感を刺激することも必要だと思っています。私はデザインを生業としているので、その点はイメージを膨らませながらリフォームを進めているところです。
私が目標としているのは、当校から「若い世代のジャズスター」を生みだすことです。時代を引っ張っていくような魅力的な10代、20代がジャズスターとして現れることで、同世代へもジャズ文化が波及していくと思います。生徒が増えたら、K-POPで流行っているように「グループ選抜制」なんかもできたらおもしろいなと思っています。
今はコロナ禍で積極的に動けない部分もありますが、内装リフォームを進め、チラシを配り、コロナが落ち着いたらイベントや無料体験など活動の幅を広げていきたいです。
飯田氏自らが内装を手掛けたレッスンルーム
写真家の生徒に寄贈された写真
将来的な顔認証の活用方法。併設するカフェルームで従業員の顔認証勤怠と検温を
実はコロナ禍以前より、一階にカフェルームを新設する計画がありました。バーカウンターを設置し、厨房を設け、リラックスして料理を楽しめるおしゃれな空間です。そんな中で新型コロナウィルスが蔓延したため保留にしている状況です。
目的としては生徒同士がレッスンの間に交流を持ち、子どものレッスンを待つ保護者がくつろげる場所の提供です。優先していた感染症対策のための工事に目途がつきそうなので、この後オープンに向けて本格的に動いていくところです。感染症対策を踏まえながら安心して過ごせる飲食スペースを作りたいと思います。
実際にカフェルームの運営が始まると、新たな従業員が加わります。私自身もいつでもスクールに常駐しているのは難しいかもしれません。そこで顔認証勤怠というソリューションは便利だと思います。出勤と同時に検温もできたらスムーズですし、自動でデータが管理されるのも手間がかかりませんよね。カフェルームがオープンしたら、また是非ご相談させてください!
スクールに併設されたポールでトレーニングされる飯田様
「私は趣味で、いつもここで鍛えています!(笑)」
最後に…
創立から今まで、当校は「ジャズ一本」で運営してきました。ジャズに特化することに希少性があり、価値がありました。
しかし時代は変化してきています。今後はジャズを軸にブラックミュージック、アート、フード、ヘルス、クリエイティブな人が集まるスクール「IIDA JAZZ SCHOOL」から世に向けて発信するカルチャーを創り、それがファッションともなる未来を実現します! スクールに集まる人がクリエイティブに融合しているスクールを構築します。
教室に飾られたマイルス・デイビスの写真
会社プロフィール
会社名 飯田ジャズスクール
所在地 東京都 杉並区下高井戸2-8-4
従業員数 4名
事業概要 ジャズ、楽器の指導