CASE STUDY

栄屋製パン様

地域で愛される製パンメーカーは顔認証入退室からDXをスタート



神奈川県海老名市内で学校給食用のパンなどを製造する栄屋製パン様は、大正12年に和菓子製造販売の店として創業、現在は厳選されたこだわりの原材料を使用し、毎日2000本の業務用パンの製造、卸をおこなっています。2021年3月より入退室管理と感染対策の目的でAIZE Biz+(アイズビズ・プラス)を導入しています。老舗製パンメーカーの専務取締役 吉岡謙一さんにお話を伺いました。

取材:2022.9.13 オンラインにて

 

■自社製造、自社配送で神奈川県広域に質の良い原材料使用のパンを届ける

株式会社栄屋製パン(神奈川県海老名市)は、学校給食用パンをはじめ、業務用パン、米飯の製造をおこなっており、現在の代表取締役でいらっしゃる梅田高嗣さんが5代目という老舗の製パンメーカーです。現在の従業員数は110名、納品地域は神奈川県内広域にわたります。卸先は、合計で140におよび、一日あたり2000本の業務用パンを製造し、輸送部門のメンバーが自社配送で学校や自治体に届けています。こだわりの原材料を使用しバリエーションに富んだパンを年中無休で製造し、学校に届け、地域で販売もする、学校給食や家庭の食卓づくりに欠かせない存在です。

 

栄屋製パンの工場外観

 

 

■顔認証AIを活用した入退室管理と感染対策で従業員に安心感を

地域に根差した製パンメーカーに顔認証AI製品 AIZE Biz+(アイズビズ・プラス)が導入されたのは、2021年3月のこと。コロナウィルスが流行し始めて1年後、まだまだ世界中がパニック状態で、どうやって会社は守ってくれるんだと、働く方々にも感染に対するピリピリとした緊張感があった時期です。従業員の安心感につながるようにと、感染対策の一つの施策として導入されました。工場の従業員通用口に設置され、取材した現在も継続的に使用いただいています。

「従業員の皆さんに安心して働いてもらえて、管理側のスタッフの負担も増やさずに、全従業員をきちんとケアできるシステムを探していました。それまでは、体温を手書きで記録していましたので」(吉岡さん)。

AIZE Biz+は、本人が検温機の前に立つと、AIが顔認証をし、同時に非接触で自動検温がなされます。またこの本人認証と検温の記録がクラウド上にログとして残る仕組みです。クラウド上に顔画像とともに検温記録を残せるAIZE Biz+を導入することにより、記録・集計・管理に関する手間を大幅に削減することができました。

たくさんの製品がある中でAIZEを採用した理由は、「どの企業も感染対策の機器を探している時で、複数のアプローチがありました。複雑な機能がついている高額製品や、パッケージ化されたものだと使いこなせないなと思っている中、AIZEの他のシステムと連携できる柔軟性、サポートがある点、価格帯がフィットしました」(吉岡さん)

 

工場の従業員通用口に設置されたAIZE Biz+(アイズビズ・プラス)

 

 

■AIを活用した今後の食品製造業DXの展望

食品製造工場には必ずクリーンエリアという製造区画があります。衛生管理を徹底して行う必要があるエリアです。異物を持ち込まない、発生させない、堆積させない、排除するといった環境維持のため、入退出の都度、個人の体調について確認、記録を残し、エアシャワーを浴びて入退出します。監査時に衛生管理の記録として提示するものでもあります。「現在は手書きでの記録管理ですので、個人の体調の確認や記録をAIができるようになると、だいぶペーパーレス化できると思います。設置場所にもよりますが、ハードとしての防水防塵の機能も必要になってきますね。また、現在は紙ベースでやっている現場と管理部門の生産に関する情報の共有や、生産指示、帳票管理についても、AIツールなどを活用し段階的にシステム化してきたいですね」(吉岡さん)。AIを活用した食品製造業DXの可能性は広がります。

 

■画像認識プラットフォーム・AIZEとは

画像認識プラットフォーム・AIZEは、トリプルアイズが取り組んできた囲碁AIの研究から生まれた、ディープラーニングによる画像認識システムです。クラウドに画像データを送信し、ディープラーニングの手法でAIが解析します。世界最大級の512次元の特徴量を顔画像から検出、個別認識できます。年齢・性別・感情さえも認識できるAIエンジンを備え、その可能性は多岐にわたります。

AIZE:https://aize.jp/






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